日本人と麻の関わりは古く、およそ1万年前の縄文時代の遺跡からも麻でつくられた縄や編物が出土しています。
環境に適応しやすく、加工しやすい繊維を生む麻は日本各地で栽培され、おもに衣料などの生活用品として古代から日本人の生活には欠かすことができないものでした。
また、麻の葉には魔除けの効果があるとも信じられていました。
神社では、けがれを祓い、神域をつくりだすための神祭具として麻製の注連縄や幣束などが用いられています。
拝殿に吊された鈴はその音色で神霊を招くとされています。
鈴緒を両手でしっかりと握り振ることは、参拝者を祓い清めることから「鈴祓え」と呼ばれています。
参拝者が神社で唯一手に触れることができる道具が鈴緒です。
麻で綯われた鈴緒は、神霊と人をつなぐ掛け橋なのです。